• 初めて調剤・投薬する薬・・・どんな事に気をつければいいのか、ワンポイント・アドバイス

ピレノキシン(カリーユニ点眼液)

分類:白内障治療薬

投薬ワンポイント

白内障の目薬で最も有名な薬剤がカリーユニです。あとはカタリン点眼液もありますが、圧倒的にカリーユニの方が処方されるケースが多いです。目薬の服薬指導ってあまり話す事がなくて困る事も多いですが、せっかく薬剤師が投薬するからには、なにかワンポイントお伝えしたいですよね。そういった時のワンポイント。

キャップを上向きにして保管する!!です。

カリーユニのような懸濁性点眼剤(よく振って、薬液を分散させて使う目薬)は、横置きやキャップを下向きにして保管すると、振ってもよく混ざらなかったり、薬液の小さな粒が先(ノズルの部分)に詰まって上手く点眼出来なくなる場合があります。そのため、常にキャップを上向きにして保管するようにアドバイスしておきましょう。

納品されてくるカリーユニ点眼液の箱にもちゃんと書いてあります!!

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カリーユニ点眼液の他にも懸濁性点眼剤と言えば、フルメトロン点眼液があります。この目薬も同様にキャップを上向きに立てて保管してください。ちなみに、フルメトロンだから、よく振ると覚えてください!と説明すると患者さんは忘れません!!

白内障の発生頻度は、50代で約50%,70代で約70%,80代で約80%と言われています。点眼薬は白内障を治す薬ではなく、進行を抑えるお薬であり、治す治療としては手術しかありません。白内障の手術する時に薬剤師として覚えておきたい事が、前立腺肥大などに使われるα1ブロッカーです。

IFIS(アイフィス):術中虹彩緊張低下症というものがあります。手術中に虹彩の緊張が低下して軟らかくなる症状です。白内障の手術の時に、このIFISが起こると手術が難しくなります。α1ブロッカーであるタムスロシン(ハルナール)やナフトピジル(フリバス)などは、尿路平滑筋のα1受容体だけでなく虹彩のα1受容体にも作用してIFISを起こす事があります。白内障の手術を受ける患者さんが前立腺肥大症のお薬を服用している場合は眼科医に必ず申し出るように伝えましょう。(前立腺のお薬を一時中止となるケースは少ないようですが)