• 初めて調剤・投薬する薬・・・どんな事に気をつければいいのか、ワンポイント・アドバイス

検査の感度と特異度

インフルエンザの検査で陰性って言われたけど、絶対にインフルエンザではないって言い切れるのですかね??

検査で陽性って出たら、100%陽性ってことですよね??

この質問に答えるためには、感度と特異度という概念を知っておく必要があります。

インフルエンザ迅速診断検査はおおよそ感度60%、特異度98%といわれています。そう言われてこの検査の精度がどの程度のものなのか想像がつきますか??

感度とは・・・『その疾患を持つ人が検査を行った場合に陽性となる頻度』です

例えばがん患者さんが検査を行った場合に陽性となる頻度です。感度が高い検査とは病気のある方だけが陽性になるのではなく、病気がない人も陽性になります。言い換えると、感度が高い検査とは病気があろうが、なかろうがどんな人でも陽性になりやすいのです。だから陽性になったからと言ってあまり意味がないのです。でももし、陽性になりやすい検査で陰性がでたら・・・どうでしょう。それは本当に病気がないことを意味します。つまり除外診断に使えるわけです。

特異度とは・・・『その疾患を持たない人が検査を行った場合に陰性になる頻度』です

例えばがんではない方を陰性とする頻度です。特異度が高い検査とは病気がない方だけが陰性になるのではなく、病気がある人も陰性になります。言い換えると、特異度が高い検査は病気があろうと、なかろうと、どんな人でも陰性になりやすいのです。だから陰性になったからと言って、あまり意味がないのです。でももし、陰性になりやすい検査で陽性がでたら・・・どうでしょう。それは本当に病気がある事を意味します・つまり確定診断に使えます。

  • 感度が高い検査→除外診断に使用
  • 特異度が高い検査→確定診断に使用
  • 基本的に感度が高い検査は特異度が低くなり、特異度が高い検査は感度が低くなります。理想的な検査は感度も特異度も100%の検査です。

では本題です。インフルエンザ迅速診断検査はおおよそ感度60%、特異度98%と言われています。

特異度がかなり高い。つまり確定診断に使えます。陰性になりやすいこの検査で陽性になれば98%の確率でインフルエンザと診断できます。逆に陰性が出た患者さんの中に、かなりの確率でインフルエンザである患者さんが隠れているともいえます。だからこそ、『陰性だったけど、症状からみてインフルエンザの可能性があるからタミフル出しとくね』という処方があるわけです。もしインフルエンザの検査が感度99.9%だったら、こんな処方はありえない訳です。(陰性が出れば99.9%インフルエンザではないと言い切れるから)

世の中にはいろんな検査があります。それらの感度と特異度をチェックしてみると、その検査の特性が分かってくると思います。