• 初めて調剤・投薬する薬・・・どんな事に気をつければいいのか、ワンポイント・アドバイス

トコフェロール酢酸エステルとトコフェロールニコチン酸エステルの違い

分類:ビタミンE製剤

ユベラ錠50mgとユベラNカプセル100㎎という2つのお薬があります。ビタミンEのお薬だという事は何となく分かるかと思います。

ビタミンEが50mg入っているものと100mg入っているものかな??って想像しがちですが・・・一般名で表すとちょっと違いが分かります。

ユベラ錠50mgはトコフェロール酢酸エステル

ユベラNカプセルはトコフェロールニコチン酸エステル   です。

ユベラ錠にニコチン酸を結合させたものが、ユベラNカプセルです。『N』はニコチン酸のNです。ニコチン酸とは別名ナイアシンと呼ばれる水溶性ビタミンB群(ビタミンB3)です。

ニコチン酸とは、体内で糖質・脂質・タンパク質を代謝してエネルギーを産生する酵素の働きを助けます。不足すると皮膚炎や口内炎,下痢などの症状が現れます。タバコに含まれるニコチンとは別ものです。

この2つは薬理作用はほとんど変わらないが、適用が異なります。

  • ユベラNカプセル:高血圧症の随伴症状、高脂血症、閉塞性動脈硬化症の末梢循環障害
  • ユベラ錠:過酸化脂質の増加の防止、間欠性跛行症、血栓性静脈炎、四肢冷感症、静脈血栓症、凍瘡、糖尿病性網膜症、動脈硬化症、ビタミンE欠乏症の治療・予防、末梢循環障害

適応症がいっぱいですが・・・

監査ワンポイント

凍瘡(しもやけ)』で処方される場合は、トコフェロール酢酸エステル(ユベラ錠)しか認められません。トコフェロールニコチン酸エステル(ユベラNカプセル)を処方されると適応外処方になります。

たまに、患者さんからの飲みにくい!という訴えで、カプセルから錠剤へ(ユベラNカプセルからユベラ錠)に処方変更になる事例がありますが、そういった場合は病名確認が必要です。意外とこの辺りを理解していないDrは多いので注意が必要です。

トコフェロール酢酸エステル+ニコチン酸=トコフェロールニコチン酸エステルと覚えましょう💊