• 初めて調剤・投薬する薬・・・どんな事に気をつければいいのか、ワンポイント・アドバイス

薬の順序(吸入薬編)

薬の使用順序は、投薬の時に重要なポイントの1つです。

①坐薬 ②目薬 ③塗り薬 ④吸入薬

この4つさえを頭に叩き込んでおけば何とかなります。

どの項目にも共通しますが、まずは、医師から使用順序について指示が出ているか確認してください。使用順序の指示が出ていればそれに従ってもらいます。これが第一優先です。 その上で特に指示が出ていない場合、薬学的な考察を踏まえ順番を決定することとなります。

今回は『吸入薬編』です。

覚える事はただ1つ。

SABAがあればそれを先に使う。その他は順番は関係ない。

気管支を広げるSABAを先に吸入してから、その他の吸入をすると、効果が発揮されやすいという理由です。

気管支拡張作用のLABAは効果発現に時間がかかるため、特段先にしなくてもよいという考えが一般的です。 覚えるイメージとしては、SABA→LABA→その他(ステロイドなど)という感じでよいかと思います。

略語も覚えよう

吸入の話になると、必ず出てくる略語があるので覚えましょう。

  • SABA(サバ):短時間作用型β2刺激薬(メプエインエア,サルタノール)
  • LABA(ラバ):長時間作用型β2刺激薬(セレベント,オンブレス,オーキシス)
  • LAMA(ラマ):長時間作用型抗コリン薬(スピリーバ,シーブリ,エンクラッセ)
  • ICS:吸入ステロイド
  • DPI:ドライパウダー吸入器(レルベア,シムビコートなど)
  • pMDI:加圧式定量噴霧吸入器(別名:エアゾール式)(メプチンエア,フルティフォームなど)
  • SMI:ソフトミスト吸入器(スピリーバレスピマット)

もう少し詳しく 吸入薬について 医療コラム 新小百合ケ丘総合病院

余談・・・

うがいの必要性。吸入後のうがいは服薬指導でよく上がるポイントです。

  • ステロイドを含有する吸入は、その副作用である、口腔内カンジタや嗄声を防ぐ目的でうがい。
  • SABAやLABAは口腔粘膜から薬剤が吸収されることによる全身性副作用を防ぐ目的でうがいが必要です。