• 初めて調剤・投薬する薬・・・どんな事に気をつければいいのか、ワンポイント・アドバイス

薬の海外への持ち出し

来週から仕事で海外へ行くので、英語で書かれたお薬の説明書が欲しいんですけど・・・

子供が今度修学旅行で海外へ行きます。いつも飲んでいるお薬を持たせようと思うのですが、何か注意することはありますか?

薬局で働いていると、こんな質問を受ける事が意外とあります。ゲンも20年近く薬剤師していますが、過去に5回、英語版のお薬説明書を依頼されたことがあります。

そこで今回はそんな時に慌てないで済むように、

海外へのお薬の持ち出しについてのワンポイント・アドバイス

どんな薬でも外国へ持ち出し可能か?

治療のためのお薬であっても、薬を所持して海外へ行く場合には、渡航先の国によって医師の診断書が必要であったり、持ち込むできる薬の量に制限があったり、事前に許可申請をする必要がある事があります。

アドバイス①必要書類を準備しましょう

どのような病気・症状で、どのような薬を服用しているかを、説明できる文章を準備しておく。※渡航先によっては特定の文書の提示を求められる事があります。

アドバイス②お薬は本来の容器に入れたまま持参しましょう

海外にお薬を持参する時は、お薬本来の容器のまま(PTP包装ならそのまま)で持参しましょう。他の容器に移し替えると、どのような薬なのかを確認することが難しく、渡航先によっては持ち込めない事もあります。

粉薬は、海外では違法薬物の疑いをもたれる可能性もあるため、他の剤形に変更が出来ないか、事前に医師・薬剤師に相談しましょう。

アドバイス③お薬は、渡航中に必要と考えられる分を超えて持参することは避けましょう

渡航先によっては、滞在期間に関わらず、一度に持参できるお薬の数量に上限がある場合もあります。

アドバイス④お薬は渡航者が自ら持ち込みましょう

渡航先の国によっては、郵送によるお薬の持ち込みを一切認めていない所があります。また、渡航先でお薬が足りなくなった場合に、安易に日本にあるお薬を渡航先に郵送するとトラブルの原因になります。

アドバイス⑤医療用麻薬や向精神薬を持ち込む場合には、特定の書類が必要です

詳細はこちら地方厚生局麻薬取締部ホームページ「麻薬等の携帯輸出入許可申請を行う方へ」

トラブルをさけるために

英文薬剤証明書を所持しましょう。

英文薬剤証明書は海外に持参するお薬でトラブルを起こさないための英文の証明書です。

この証明書作成は、薬剤を処方した医師や調剤した薬局の薬剤師が作成し、署名サインにて正式なものとなります。公的に規定された書式はありませんが、患者氏名・疾患名・薬剤名・剤形・含有量・数量・医師または薬剤師名、施設住所・電話番号等を記載します。

書いてもらえない場合は、旅行医学認定医がいる病院で発行してもらいましょう。

お役立ちサイト

お近くの日本旅行医学会の認定医を探すとき→こちら

英文薬剤証明書を求められた時に参考になるサイト→おくすりのしおり(薬品名を検索して英語版をクリックすると表示されます)

厚生労働省ホームページ「海外渡航先への医薬品の携帯による持ち込み・持ち出し手続きについて」