• 初めて調剤・投薬する薬・・・どんな事に気をつければいいのか、ワンポイント・アドバイス

薬局でのワンシーン(納豆アレルギー)

今日は、じん麻疹のようですね。何か思い当たる原因はありましたか?

今までにも同じような事が何回かあって。もしかしたら納豆かなと。でも納豆アレルギーとかってあるんですか?

今までにクラゲに刺された事ありますか?

???

ある日の患者さんとの会話のワンシーンです。

薬局で患者さんとお話する内容は、実はお薬以外の事の方が多かったりします。

今回もお薬ではない、アレルギーについてのお話です。

患者さんは納豆のお話をされてて、急に『げん』がクラゲの話をするから、怪訝そうな顔をされました。でももちろんそれには理由があります。順を追って説明いたします。

まず、納豆アレルギーについて。

納豆アレルギーは存在します。有名な、卵・牛乳・そばアレルギーと同様に、食べ物を摂取することでじん麻疹やかゆみ、呼吸困難などを引き起こします。ただ、通常の食物アレルギーと違うのは、遅発型といって、症状が出るのに少し時間がかかるところ(約4~12時間)。なので納豆が原因だと気づきにくいという特徴があります。また、アレルギーの原因物質は、納豆のネバネバ成分であるポリガンマグルタミン酸(PGA)です。

では、なぜクラゲの話なのか。

実はクラゲの触手には納豆と同じPGAが含まれます。そのためサーフィンなどのマリンスポーツする方は繰り返し海でクラゲに触れる事でPGAに感作され、納豆を食べた時にアレルギー反応を起こす事があると言われています。サファーに納豆アレルギーが多いと言われる所以です。

なので、もしかしたら過去にクラゲに刺された事があるかな??と思い質問したわけです。

この会話には続きがあります。

納豆アレルギーだったら、大豆もダメってこと??

大豆アレルギーの方でも、納豆は発酵食品のため、大豆本来の蛋白は分解されているので、納豆は食べられる多いと一般的に言われています。つまり納豆アレルギーと大豆アレルギーは別物と考えてもらう方が良いと思います。

お薬を飲んでいただき、症状改善をお手伝いするのも薬剤師の仕事ですが、再び同じ病気、症状にならないようにアドバイスするのも薬剤師の仕事だと思っています✨

ぜひ、お薬以外の事も、相談に乗れる身近な薬剤師さんを目指してください。

キーワード:納豆アレルギー ポリガンマグルタミン酸 PGA